CNNONDALE ロードバイクフレームセット カスタムペイント

投稿日:
CANNONDALE
Color : Ferrari 322

今回はキャノンデールのアルミフレームセットをカスタムペイントさせていただきました。

メインカラーは通称フェラーリレッドと呼ばれる Rosso Corsa カラーナンバーは322です。

シートステーはイタリア国旗の3色に塗分け、ダウンチューブにはSAVOIA S.21の文字を入れて欲しいとのご依頼でした。

このカラーと文字でピンときた方もいらっしゃるでしょう。

ジブリのアニメ映画「紅の豚」で印象的な主人公が操る真っ赤な飛行艇の名前ですね。

お預かりした時の状態です。

ダウンチューブ右側には PORCO ROSSO の文字。

左側にはCANNONDALEのロゴが入っていました。

シートステーはイタリアの国旗カラーに塗分けてあります。


初めに弊社にご連絡頂いた段階では、お客様ご自身で自転車塗装用の塗料スプレー「Spray.Bike」を使用してカスタムペイントしたところ塗装面にザラつきが出てしまったので、ザラつきの除去とクリヤー塗装を希望とのご依頼でした。

しかし、話を進めていく内に修正に掛かる料金や現状から更に上塗りするリスクなどからカスタムペイントさせて頂くことになりました。


塗装のザラつきについて

塗装面のザラつきは塗装用スプレーガンを使用していても起こりますが、特に塗料の希釈率やシンナーの種類で揮発速度を調節できないスプレー缶を使用した塗装で起こりやすいトラブルの一つです。

ザラつきの起こる原因としては、塗装物からスプレーの距離が遠すぎる事や、気温が高すぎる事が考えられます。

Spray.Bikeの公式サイトを拝見すると塗装物からスプレー缶の距離を5㎝~10㎝で使用するように記載されております。

速乾性が高く、濃い目の塗料が使用されているスプレー缶のようなので、垂れ難い代わりにザラつきのトラブルが起こりやすいと思われます。

Spray.Bikeを使用して塗装する場合は塗装練習用の物を用意して、数回は練習をして綺麗に塗装できる塗装物との距離を掴んでから本番の自転車塗装を塗装する事をお勧めいたします。


それでは作業内容ですが、まずは元の塗装を剥離していきます。

フレームの素材はアルミニウムなので剥離剤を使用して剥離します。
元の塗装の上からSpray.Bikeで塗装された状態でしたので、通常のフレームより塗膜が厚いです。
一回の剥離剤の塗布では剥離しきれないので、2回3回と剥がれた塗料を取り除いてから剥離剤を塗布して剥離していきます。

フォークはカーボン素材でしたので、剥離剤を使用できないためサンドペーパーなどを使用して少しずつ削り取って剥離します。

塗装の剥離が完了しました。

素材にダメージのあるキズや凹みなどはありませんでしたので、マスキングをして脱脂後にプライマーとサーフェイサーを塗装します。

まずはロゴを入れるダウンチューブとイタリアの国旗カラーにするシートステーの一部にホワイトを塗装します。

ホワイトの塗料が硬化したらマスキングしてシートステーにはグリーンも塗装します。

ダウンチューブのホワイトに塗装した部分にロゴの形にカットしたマスキングシールを貼り付けます。

メインカラーのフェラーリレッドは非常に綺麗な澄んだ赤色なので、下塗りのピンクを塗装してから塗装しています。

フェラーリレッドを塗装後にマスキングを剥がしてクリヤー塗装します。
ロゴや塗分け部分は厚めにクリヤーを塗装して段差を消すための塗膜を稼ぎます。

クリヤーが硬化したらロゴや塗分け際など、マスキングによって段差が出来てしまっている部分を800~1500番のサンドペーパーで研磨して、なるべく段差が無くなるように均します。

全体的に1500番のサンドペーパーを掛けたらトップクリヤーを塗装します。

トップクリヤーが硬化したらポリッシャーで磨いて完成になります。


今回はCANNONDALEのフレームを全塗装させていただきました。

段々と気温も春めいてきたので、このフレームを組み上げて海辺を走りたくなりますね。