
ラップペイントシルバー・キャンディブラック
今回はアルミとカーボンのコンポジットフレームの SCHWINN Fast Back LTD をカスタムペイント致しました。
カラーはアルミの部分はシルバーのラップペイントで、カーボンの部分にはブラックのキャンディカラーをカーボン柄が薄っすら見えるようなカラーに塗装しました。
こちらのフレームは前回もウチで塗装した物になります。
前回はコバルトブルーに複合パールという光や見る角度によって2色の違った色に見えるパールカラーを3色使用して調色(つまりパールが全部で6色に変化する)して塗装しました。
今回は全く違ったカラーで、フレーム素材のカーボンの柄を生かした色にするので、一度すべての塗料を剥離していきます。
塗装剥離後のフレームになります。
フォークを撮り忘れていたのですが、同じように剥離してあります。
今回はカーボン柄が見えるようなカラーに塗装するので、念入りに元の色を剥離してあります。
ボトルケージを取り付けるためのナットも取り外します。
取り外した方が綺麗に塗装できるというのもありますが、今回は単純にナットがグラついていたので、塗装ついでに交換します。
いつもならココから プライマー→サーフェイサー と塗装していくのですが、今回はプライマーを塗装した後にクリヤーを塗装します。
クリヤーを塗装した後の画像を見てもらえば分かるのですが、カーボンの塗装を剥離した後は表面がデコボコしています。
これは塗装剥離作業でカーボンを削ってしまった為では無く、カボーン繊維が折り重なっている為です。
そのデコボコをクリヤーを塗装した後に研磨して無くしてしまいます。
塗装面が滑らかになったらキャンディカラーのブラックを塗装します。
カーボン素材の部分のキャンディカラーが硬化したら、続いてアルミ素材の部分の下地を作ります。
まずはカーボンとアルミの接合部分で分けてカーボン部をマスキングします。
それからアルミ部分へサーフェイサー塗装です。
アルミの溶接部分やカーボンとの接合部分に出来る段差を消すためにパテを盛ります。
パテが硬化したらサンドペーパーで不要な部分を削り取って成形していきます。
サンディングが終わったら、再度サーフェイサーを塗装します。
下地が完成したらベースカラーを塗装します。
今回のラップペイントの下地はブラックです。
2液性(主剤と硬化剤を混ぜて使用する塗料)の塗料でブラックを塗装します。
このベースカラーを塗装した後は次の工程へ移る前にしっかりと硬化させます。
ベースカラーを塗装してから1週間ほど開けて次の工程へ入ります。
まずは1500番のアシレックスで全体に足付け作業をしてからシルバーの塗料を塗装します。
吹き付けたシルバーが硬化しないうちに食品用ラップで包んで模様を作っていきます。
この時にベースのブラックカラーが硬化不足だとシルバーと混ざってしまい、最初からやり直しになります。
ある程度シルバーが硬化したところでラップを剥がしてラップペイントの模様作りは完了です。
ラップで模様作りが完了したらクリヤーを厚めに塗装します。
ラップペイントの模様はシルバーの塗料の薄い部分と濃い部分の差で出来ています。
その為、このままでは塗装面が凸凹しているので、クリヤーを塗装した後に全体を研磨して、塗装面を滑らかにしなくてはいけません。
ラップペイントの塗装面が滑らかになったらロゴを塗装します。
今回はシンプルに一カ所だけに塗装します。
パソコンで作成したデータを元にカッティングプロッターでマスキングシートを作ってもらいます。
最後にフレーム全体を仕上げようのクリヤーで塗装すれば塗装は完了です。

仕上げのクリヤーが硬化したら磨き作業に移ります。
全体を1500~3000番で研磨した後にコンパウンドを付けたポリッシャーで磨いていきます。
最後にボトルケージ取り付け用のナット取り付けて完成です。

完成です。
室内の光源ではカーボン部分のもただのブラックカラーに見えます。
強めの光や日中の野外などではカーボン柄が透けてよく見えます

トップチューブなどの塗装面は非常に滑らかに仕上がっています。
今回は塗装前と後では全く雰囲気の違うフレームになりました。
キズを補修しつつ乗るのも良いですが、全く違うカラーにするのも面白いと思います。