今回は「EDDY MERCKX」のクロモリフレームをカスタムペイントいたしました。
お客様曰く、30年ほど前のフレームとの事で、CINELLIのカラー「アズーロレーザー」のようなメタリックカラーにしたいとのご依頼でした。
塗装作業へ入る前にお客様とカラーについて打ち合わせます。
CINELLIのアズーロレーザーをご希望でしたがカラーのデータや実物が無いので、写真から推測して調色をします。
青み掛かったメタリックの様だったので、ブルーの割合とメタリックの目の粗さによって数パターンの色を調色してお客様に選んで頂きました。
メインカラーが決定したら元の塗装を剥離していきます。
まずは粗目のサンドペーパーでフレーム全体にキズを付けていき、満遍なくキズが付いたら刷毛で剥離剤を塗ります。
剥離剤を塗ってしばらくすると塗料が浮いてくるので、浮いた塗料をスクレーパーや金属ブラシで取り取り除きます。
全ての塗料を剥離出来たら剥離剤が残らないように洗浄して剥離完了です。
続いて下地を塗装します。
クロモリフレームの場合は下地塗装の前に錆取りをする事が多いのですが、今回のフレームは30年前のフレームとは思えないほど綺麗な状態で、目立つ錆は見当たりませんでした。
下地の塗装は、マスキング後に防錆プライマーを塗装後にサーフェイサーを塗装します。

サーフェイサーが硬化したら全体を800番の耐水ペーパーやアシレックスで研磨します。
僅かなへこみや素穴などはパテを使用して埋めておきます。

下地塗装の処理が終わったらマスキングを貼りなおしてメインカラーを塗装します。
ライトブルーメタリックの塗料を塗装後にクリヤーを塗装します。
この後にロゴの塗装を行うので、しっかりと時間を空けて塗料を硬化させておきます。
塗料が硬化したらロゴの塗装とデカールの張り付けを行います。
ロゴはお客様指定の物をデータ作成して、カッティングプロッターでマスキングシールをカットします。
ロゴカラーのゴールドを塗装後にマスキングを剥がし、クリヤーを少し厚めにロゴ周りへ塗装します。
デカールは指定の位置に張り付けたら乾燥させてロゴと同じようにクリヤーを塗装します。

クリヤーが硬化したらロゴ塗装とデカール貼り付けによってできた段差を無くしていきます。
段差が無くなり、なめらかになればロゴ塗装の完了です。

いよいよ最後のクリヤーを塗装します。

トップクリヤーが硬化したら全体を研磨していきます。
1000~3000番の耐水ペーパーやバフレックスなどを使用して塗装肌やブツを潰して滑らかにしていき、最後にポリッシャーで磨いて完成です。
今回ご依頼頂いたカスタムペイントのメニューと価格になります。
[フレームセット剥離塗装]
フレームセット剥離:クロモリフレーム
カラー:ライトブルーメタリック
¥38,000
[塗分けマスキング]
右チェーンステー
リヤエンド
¥4,000
[デカール・ロゴ文字塗装]
ロゴ文字塗装:ダウンチューブ左右
デカール貼り付け:左右フォークブレード・シートチューブ
¥16,500
合計金額:58,500円
※2020年4月7日の価格です。
今回は約30年前のEDDY MERCKXのクロモリフレームをカスタムペイントさせていただきました。
年月を感じさせない非常に綺麗な状態のフレームでしたので、まだまだこれからも乗っていただけそうです。